よくある質問
- Q. 相続未登記の不動産は売却できますか?
- A. 相続未登記のままでは売却できません。不動産登記法に基づき、相続人の確定→遺産分割協議(民法第907条)→相続登記(法務局への申請)を経て名義変更を完了させる必要があります。ただし、司法書士と連携して相続手続きからサポートする買取業者に依頼すれば、手続きを一括で進められます。
- Q. 相続登記の義務化に違反するとどうなりますか?
- A. 不動産登記法第76条の2に基づき、2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がない場合は10万円以下の過料が科されます(同法第164条)。2024年4月以前の相続も対象で、2027年3月末までの猶予期間があります。
- Q. 相続人が多くて遺産分割協議がまとまらない場合はどうすればいいですか?
- A. 売却代金を相続人で分割する方法(換価分割)を提案することで合意しやすくなるケースがあります。また、遺産分割協議がまとまらない場合は家庭裁判所での調停・審判(家事事件手続法)という手段もあります。専門業者に相談することで、複雑な相続関係でも対応可能です。
公開: 2026.02.01 更新: 2026.05.25
相続未登記とは
相続未登記とは、不動産の所有者が亡くなった後、相続による名義変更(相続登記)をしていない状態のことです。登記簿上の名義が被相続人(亡くなった方)のままになっており、現在の所有者が法的に不明確な状態です。
国土交通省の調査(2016年)によると、全国の土地の 約24%が所有者不明 であり、その面積は約410万ヘクタール(九州本島の面積を上回る規模)に達しています。所有者不明の原因の 63%が相続登記の未了 です(国土交通省・所有者不明土地の実態把握の状況について、国土交通省・所有者不明土地等対策)。
2024年4月から相続登記が義務化

この深刻な状況を受け、 不動産登記法第76条の2 に基づき、2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続により不動産の所有権を取得したことを知った日から 3年以内 に登記申請しなければなりません。正当な理由なく申請を怠った場合、 10万円以下の過料 (同法第164条)の対象となります。
| 対象 | 期限 |
|---|---|
| 2024年4月1日以降に相続した不動産 | 相続を知った日から3年以内 |
| 2024年4月1日以前に相続した不動産 | 2027年3月31日 まで(猶予期間) |
なお、遺産分割協議がまとまらない場合でも、 相続人申告登記 (法第76条の3)を行えば義務を履行したとみなされます。
相続未登記のまま放置される理由
相続登記が放置される最大の理由は、 手続きの煩雑さとコスト です。
相続登記には、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本の収集(1通450〜750円)、相続人全員の戸籍・住民票の取得、遺産分割協議書の作成が必要です。さらに法務局への登記申請には 登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)がかかり、司法書士に依頼する場合は報酬(5〜15万円程度)も加わります。詳しい費用は「相続登記の費用と期間」をご覧ください。
また、相続人間で遺産分割協議がまとまらないケースや、何代にもわたって相続登記がされず相続人が数十人に膨れ上がっているケース(数次相続)もあります。「相続人が多すぎて登記できない土地の処分方法」で詳しく解説しています。
相続未登記のリスク
相続未登記のまま放置すると、法的にも経済的にも深刻なリスクが生じます。
最も直接的なリスクは 売却できない ことです。不動産の売却には登記名義人であることが前提であり、被相続人名義のままでは買い手への所有権移転登記ができません。また、 民法第177条 により、相続登記をしていなければ所有権を第三者に対抗できず、権利の不安定な状態が続きます。
2024年4月の義務化以降は、 10万円以下の過料 (不動産登記法第164条)のリスクも加わりました。さらに放置する時間が長いほど相続人が増え(数次相続)、合意形成が困難になり手続きコストが膨らむ悪循環に陥ります。金融機関の融資の担保にもできません。
相続登記の義務化については「相続登記の義務化」をご覧ください。
業界経験から見た相続未登記の現実
相続未登記は、本当に大変です。
私が関わった案件で、先々代と先代の土地をダブルで相続未登記していた事例がありました。戦前生まれの方が多数関係者として残っていましたが、幸いにもご高齢でご健在の方が多く、最終的な関係者の頭数は少なく済みました。土地の評価額がゼロだったため、滞納していた固定資産税もありませんでした。これはたまたまラッキーだっただけです。もしも当代で登記できていなかったら、相続権利者が膨れ上がり、恐ろしいことになっていたと思います。
この同じ案件を別の角度から扱った関連記事もあります。「共有名義の不動産を放置すると?相続で起きる問題」では、被相続人の祖父が9人兄弟だが戦争で半数が幼くして亡くなっていたために最終的な関係者が十数名で済んだ経緯を整理しています。なお、先々代の登記を調べる過程で、先々代の土地の隣地に先代の共有持分があることが判明し、結果として2世代分の相続未登記を同時に解きほぐすことになりました。さらに戸籍調査の過程で出てきた重複本籍の話は「相続手続きで発覚した「重複本籍」とは?」で扱っています。
別の案件では、複雑な家族関係から相続登記ができないケースにも遭遇しました。かつては「放置」が事実上の解決方法として機能していましたが、2024年の義務化以降は法的にアウトです。どこかのタイミングで、きちんと登記しなければなりません。先送りすればするほど関係者が増え、合意形成が難しくなる構造は変わりません。
相続未登記物件の売却方法
相続未登記の不動産を売却するには、以下のステップが必要です:
ステップ1: 相続人の確定
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を収集し、法定相続人を確定します( 民法第886条〜第895条 に基づく相続人の範囲)。戸籍は本籍地の市区町村役場で取得でき、1通450〜750円です。
ステップ2: 遺産分割協議
相続人全員で誰が不動産を相続するか話し合い、 遺産分割協議書 を作成します( 民法第907条 )。相続人全員の署名・実印押印と印鑑証明書が必要です。売却を前提とする場合は、代表相続人1名に名義を集約し、売却代金を分配する 換価分割 が合意しやすい方法です。
ステップ3: 相続登記
法務局に相続登記を申請し、不動産の名義を相続人に変更します。登録免許税は 固定資産税評価額の0.4% です。司法書士に依頼する場合は報酬として5〜15万円程度が目安です。
ステップ4: 売却
名義変更が完了したら、通常の不動産売却が可能になります。相続した空き家の場合、 譲渡所得の3,000万円特別控除 (租税特別措置法第35条第3項)が適用できる場合があります。
よくある質問
Q. 相続人が誰か分からないのですが…
A. 戸籍調査により相続人を確定することができます。調査からお手伝いしますので、ご相談ください。
Q. 相続人の中に連絡が取れない人がいます
A. 戸籍の附票で住所を調査できます。それでも所在不明の場合は、家庭裁判所に 不在者財産管理人 の選任(民法第25条)を申し立てることで遺産分割協議を進められます。これらの法的手続きも含めてサポートいたします。
Q. 何代も前から名義変更していないのですが…
A. 数次相続(複数回の相続が発生)のケースでも対応可能です。相続関係が複雑になるほど手続きは大変ですが、専門家と連携して解決します。
Q. 遺産分割で揉めていて話が進みません
A. 相続トラブルの解決は弁護士の業務となりますが、売却を前提とした場合の協議のサポートは可能です。売却代金を分割するという形で合意しやすくなるケースもあります。
Q. 相続放棄した方がよいですか?
A. 相続放棄( 民法第938条 )は相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。不動産に価値がある場合は売却した方が有利なことが多いため、まずは査定を受けて判断材料にすることをお勧めします。なお、相続放棄すると預貯金など他の財産も全て放棄することになります。相続放棄後の管理義務については「相続放棄した土地の管理責任」をご覧ください。
なないろ土地査定の相続未登記物件の買取の流れ
なないろ土地査定では、相続未登記の土地・戸建も含めて査定・買取に対応しています。司法書士・税理士と連携し、戸籍収集から名義変更、決済までを一括でサポートします。一般的な流れは次のとおりです。
- 無料査定の申し込み ── 物件所在地・把握している範囲の相続関係(亡くなった方の続柄、相続人の人数、把握している遺言の有無など)をお伺いします。詳細が分からなくても結構です。
- 登記情報・戸籍の初期調査 ── 当社で登記簿、固定資産税課税明細、把握できる範囲の戸籍を確認し、相続関係と登記の状態を整理します。
- 査定価格のご提示 ── 想定される手続きコスト(登録免許税、司法書士報酬、戸籍取得費用等)を踏まえた買取価格をご提示します。
- 司法書士による戸籍収集・相続人確定 ── 連携司法書士が出生から死亡までの戸籍を収集し、相続人を確定します。連絡が取れない相続人がいる場合は戸籍の附票・不在者財産管理人選任(民法第25条)も含めて対応します。
- 遺産分割協議・相続登記 ── 相続人全員の合意形成をサポートし、必要書類を整えたうえで相続登記を申請します。
- 売買契約・決済 ── 名義変更完了後、売買契約を締結し、残代金の支払いと所有権移転登記を行います。
数次相続で相続人が数十人にのぼるケース、相続人の所在が分からないケース、評価額がほぼゼロの土地など、 他社で「対応不可」と言われた相続未登記物件こそご相談ください 。
対応エリア
なないろ土地査定は、東京23区および近郊エリアを中心に、相続未登記の戸建用地・更地・空き家の買取を行っています。先々代・先代から名義変更されていない物件、相続人が多数で話し合いが進まない物件、固定資産税の納税通知書が亡くなった方宛てに届き続けている物件など、登記が止まっている状態のままでまずはご相談ください。
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