再建築不可物件のリフォーム|どこまでできる?
この記事でわかること
Q. 再建築不可物件でリフォームはできますか?
Q. 建築確認が不要なリフォームは?
Q. リフォーム費用の目安は?
再建築不可物件でもリフォームは可能
再建築不可物件でも、リフォームや修繕は可能です。「再建築不可」は新築ができないという意味で、リフォームまで禁止されているわけではありません。再建築不可の基本については「再建築不可物件とは?」もご覧ください。
可能なこと・できないこと
| 工事の種類 | 可否 |
|---|---|
| 新築(建替え) | × |
| 増築 | △(条件あり) |
| 改築 | △(条件あり) |
| 大規模修繕 | ○ |
| 内装リフォーム | ○ |
| 設備交換 | ○ |
建築確認が不要なリフォーム
以下のリフォームは、建築確認申請なしで行えます。
1. 内装工事
- 壁紙の張り替え
- フローリングの張り替え
- 畳の交換
- 天井の張り替え
- 間仕切りの変更(構造に影響しないもの)
2. 設備工事
- キッチンの交換
- 浴室のリフォーム
- トイレの交換
- 給湯器の交換
- エアコンの設置
3. 外装工事
- 外壁の塗装
- 屋根の塗装
- サイディングの張り替え(構造に影響しない範囲)
4. 小規模な修繕
- 床の補強
- 壁の補修
- 建具の交換
- 窓の交換
条件付きで可能なリフォーム
以下の工事は、一定の条件を満たせば可能です。
大規模修繕・大規模模様替え
大規模修繕 とは、建築基準法第2条第14号に定義される「主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根、階段)の一種以上について行う過半の修繕」のことです。 大規模模様替え も同様に第2条第15号で定義され、主要構造部の過半を模様替えする工事を指します(e-Gov法令検索「建築基準法」)。
2025年4月の法改正による4号特例廃止
令和4年改正建築基準法が2025年(令和7年)4月1日に施行され、従来の「4号建築物」区分(木造2階建て以下かつ延べ500㎡以下等)が廃止されました(国土交通省「『4号特例』見直し」)。
改正後の区分は以下のとおりです。
| 区分 | 対象 | 大規模修繕・模様替えの建築確認 |
|---|---|---|
| 新2号建築物(建築基準法第6条第1項第2号) | 木造2階建て以上、または延べ面積200㎡超の木造 | 必要 |
| 新3号建築物(同項第3号) | 木造平屋建てかつ延べ面積200㎡以下 | 都市計画区域外では不要、審査省略制度の対象 |
この改正により、一般的な木造2階建て住宅で大規模修繕・スケルトンリフォームを行う場合は、原則として建築確認申請が必要になりました。再建築不可物件では接道義務(建築基準法第43条)を満たせないため、確認申請が通らず大規模修繕が実施困難になるケースがあります。リフォーム前に建築士や市区町村の建築指導課に必ず確認してください。
一方、**平屋建て(延べ200㎡以下)**であれば新3号に該当し、引き続き審査省略制度の対象となるため、大規模修繕は従来どおり確認申請不要で実施可能です。
増築について
増築は原則難しい
増築は建築確認申請が必要となるケースが多く、再建築不可物件では接道義務(建築基準法第43条)を満たさないため確認申請が通らず、認められないことがほとんどです。
増築が認められるケース
建築基準法第6条第2項により、 防火地域・準防火地域以外 で 10㎡以下の増築 であれば建築確認申請が不要です。また、建築基準法第43条第2項の許可(43条但し書き許可)を取得した場合は、通常の増築も可能になります。43条許可の詳細は「43条但し書き許可で再建築可能に?」をご覧ください。
増築の例
| 増築内容 | 建築確認 |
|---|---|
| 10㎡以下の物置 | 不要(条件あり) |
| 10㎡超の部屋 | 必要 |
| ベランダの設置 | 要確認 |
| 屋上の増設 | 必要 |
リフォームでできること
再建築不可物件でも、以下のような大規模なリフォームは可能です。
スケルトンリフォーム
建物の骨組み(構造体)だけを残して、内装を全て作り直すリフォームです。
可能な工事
- 間取りの変更
- 水回りの移動
- 断熱材の入れ替え
- 電気配線のやり直し
- 給排水管の更新
耐震補強
建物の耐震性を高める工事も可能です。
工事例
- 筋交いの追加
- 耐震壁の設置
- 基礎の補強
- 接合部の強化
断熱リフォーム
建物の断熱性能を高める工事です。
工事例
- 断熱材の追加
- 窓の交換(二重窓など)
- 床下断熱
- 屋根裏断熱
リフォーム費用の目安
下表は業界で一般的に示される目安です。使用するグレード、建物の状態、地域の工賃相場により大きく変動します。
部分リフォーム
| 工事内容 | 費用目安 |
|---|---|
| キッチン交換 | 50〜150万円 |
| 浴室リフォーム | 50〜150万円 |
| トイレ交換 | 20〜50万円 |
| 外壁塗装 | 80〜150万円 |
| 屋根塗装 | 30〜80万円 |
大規模リフォーム
| 工事内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 全面リフォーム | 500〜1,500万円 |
| スケルトンリフォーム | 800〜2,000万円 |
| 耐震補強 | 100〜300万円 |
| 断熱リフォーム | 100〜300万円 |
リフォームの費用対効果
リフォームすべきケース
- 自分で住み続ける場合
- 賃貸に出して収益化する場合
- 売却価格を上げたい場合(費用対効果を計算)
リフォームより売却が良いケース
- 建物の老朽化が激しい
- リフォーム費用が高額
- リフォームしても価値が上がらない立地
売却前のリフォームについて
売却前にリフォームする場合は、費用対効果を慎重に計算しましょう。
計算例
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| リフォーム前の売却価格 | 1,000万円 |
| リフォーム費用 | −300万円 |
| リフォーム後の売却価格 | 1,200万円 |
| 差額(費用対効果) | −100万円(損失) |
この場合は、リフォームせずに現状のまま売却した方が有利です。再建築不可物件の買取に対応する専門業者であれば、リフォーム不要で現況のまま買取してもらえます。実際に再建築不可のボロ戸建てを買取し、大規模リフォームで再生した事例もあります(「再建築不可物件の買取事例」)。
注意点
1. 工事前に確認
大規模な工事を行う前に、必ず市区町村の建築指導課や建築士に確認しましょう。
2. 業者選び
再建築不可物件のリフォームに慣れた業者を選ぶことが重要です。
3. 将来の売却を考慮
リフォームしても再建築不可であることは変わりません。将来の売却を考慮して判断しましょう。
4. 記録を残す
リフォームの記録(図面、写真、費用)を残しておくと、売却時にアピールできます。
まとめ
再建築不可物件でもリフォームは可能です。
可能なリフォーム
- 内装工事全般
- 設備の交換
- 外壁・屋根の塗装
- 大規模修繕(4号建築物の場合)
- スケルトンリフォーム
注意点
- 増築は原則難しい
- 大規模な工事は事前確認が必要
- 費用対効果を計算する
リフォーム後に賃貸経営する方法は「再建築不可物件の賃貸経営」、売却する場合の価格目安は「再建築不可物件の売却価格」をご覧ください。再建築不可物件の基本的な仕組みや売却の全体像は「再建築不可の売却・買取について」で解説しています。


