買戻特約は、登記がなければ意味がない|リースバックで確認する4点
この記事でわかること
Q. 買戻特約があれば必ず家を買い戻せますか?
Q. 買戻特約の登記はいつまでにすればよいですか?
リースバックの説明で必ず出てくるのが「将来買い戻せます」です。契約書に買戻特約が入っていることを、好条件の証拠として示されることもあります。
特約があること自体は、買い戻せることを意味しません。
買い戻せなくなる理由が4つある
買い戻せなくなる理由は4つあって、それぞれ別々です。どれか1つ当たれば、それで買い戻せません。 4つ全部を通り抜けて、はじめて買い戻せます。
1. 期間
買戻しの期間は上限10年、期間を決めなかった場合は5年です(民法580条)。
そして大事なのは、一度決めたら、あとから延ばせないことです。5年で決めておいて、5年目に「あと3年待ってほしい」は通りません。
立て直しに何年かかるかを、契約する時点で見積もっておく必要があります。
2. 買い戻す値段
2020年の民法改正で「別段の合意」が明記され、買い戻す値段は自由に決められるようになりました。
つまり、売った額で買い戻せるとはかぎりません。 契約書に書かれた額を確認してください。
3. 買い戻すためのお金
そのお金が、どこから出るのか。
ここで多いのが、契約に加わっていない親族をあてにしている場合です。「息子が数年後に買い戻してくれる」といった話に法的な裏づけはありません。その息子は契約書のどこにも出てきません。
4. 家賃の滞納
リースバックは、売ったあとにその家を借りて住み続ける形です。家賃が払えなくなれば、賃貸借は終わります。
買い戻せる期間の途中で追い出されれば、住んでいない家を買い戻すことになります。 買い戻す意味がなくなります。
登記がなければ、あとから買った人に主張できない
4つを全部通り抜けても、まだ足りません。登記です。
- 買戻特約の登記は、名義を移す登記(所有権移転登記)と同じ受付番号の付記登記として実行されます(不動産登記規則3条9号)
- 名義を移す登記と同時に申請しなければならず、あとからの申請は認められません(昭和35年3月31日民事甲712号通達)
- 登記がなければ第三者に対抗できません(民法581条)。買主からその家を買った人に対して、「自分には買い戻す権利がある」と主張できない、という意味です
つまり、決済のときに登記していなければ、あとから足すことはできません。そして登記がなければ、買主がその家を誰かに転売した時点で、買戻しの主張は通りません。
費用は数万円
買戻特約の登記にかかる費用は数万円です。家の値段とは桁が2つも3つも違います。
だから「費用がかかるので登記はしません」という説明は成り立ちません。
登記があれば、買主は転売できない
ここが肝心です。買戻特約が登記されていれば、買主はその不動産を自由に転売できません。
転売するつもりの業者にとって、登記しないことは選択ではなく必須条件です。
登記を渋る相手は、費用を惜しんでいるのではありません。転売する予定なのです。
確認は登記簿1枚でできる
登記簿(登記事項証明書)の甲区に、買戻特約の付記登記があるか。 これだけです。
法務局の窓口でもオンラインでも取れます。すでに決済が済んでいるなら、いま取って確認できます。これから決済という段階なら、司法書士に「買戻特約の登記も同時に入れてください」と伝えてください。
公的な裏付け
国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドブック」には、「買戻しは『当然の権利』ではありません」 と明記されています。
リースバック関連の相談件数も増えています。
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2019年度 | 19件 |
| 2021年度 | 68件 |
| 2023年度 | 227件 |
このなかには「買い戻したいと言ったら、そんな約束はないと言われた」という事例が記録されています。
すでに期限が迫っている場合は、差押えから競売までのタイムラインで、いま手元に何が届いているかを確かめてください。リースバックが唯一の選択肢に見えているとき、実際には他の手が残っていることがあります。
その1つが、買い戻す前提を外すことです。買戻特約は、手放したあとに買い戻す権利を登記で確保しておきたい場合の方法です。 住み替えてよいなら、ここまでの4つも買戻特約の登記も要りません。決済でローンを完済できるなら、ふつうに売った場合の金額を同じ運営のなないろ家査定で聞けます。
リースバック付きの買取に対応しています
当サイトの買取パートナーは、買って転売するのではなく長期保有を基本にしています。だから、売ったあともそのまま住み続けるリースバック付きの買取ができます。
住宅ローンの返済が難しくなった一戸建てを買い取り、リースバックで住み続けられるようにした事例があります。買い戻す約束を付けた売買契約にも対応しています。


