延滞から競売までにかかる日数は、契約書と債権者が決める|全国共通の月数はない
この記事でわかること
Q. 何か月滞納すると競売になりますか?
Q. 競売の申立てから終わるまで、どれくらいかかりますか?
Q. 競売が始まったら、もう売れませんか?
「何か月滞納したら競売になるのか」を知りたい人が多いはずです。その問いに、全国共通の答えは確認できません。
日数を決めているのは2つです。契約書の条項と、債権者の判断です。どちらも金融機関ごと、事案ごとに違います。だから、月数を書いている記事があっても、それが自分の契約に当てはまるとはかぎりません。
代わりに使えるのは、よく見られる流れです。届いた書面から、自分のところで何が起きたかを言えるようになります。
よく見られる流れは、5つに分かれます
1つ目は延滞です。 返済日に引き落としができなくなります。
2つ目は督促です。 金融機関から連絡と書面が来ます。この段階では、まだ分けて返す約束が生きています。返済方法を変える相談ができるのもここが中心です。
3つ目は期限の利益の喪失です。 分けて返してよいという約束が終わります。残っている全額を一度に返すよう求められます。ここが最初の分かれ目です。 いつこうなるかは契約書の条項によります。住宅金融支援機構の融資では、期限の利益を失うと団体信用生命保険の保障が終わる場合もあります。
4つ目は代位弁済です。 契約書に保証会社の名前がある場合、保証会社が代わりに金融機関へ返済することがあります。そのあとは、保証会社が請求する相手になります。保証会社が付いていない場合、この段階はありません。
5つ目は競売の申立てです。 債権者が裁判所に申し立てます。ここから先は裁判所の手続きです。日付が自分の都合では動かなくなります。
この順番は、どの契約でも同じというわけではありません。 保証会社の有無で経路が変わりますし、書面の名前も金融機関ごとに違います。だから、確かめるのは書面そのものです。差出人は誰か。請求されている額はいくらか。いつまでに何をするよう書かれているか。 この3つを見てください。
申し立てるかどうかを決めるのは、債権者です
5つ目に進むかどうかを決めるのは、借りた側ではありません。債権者です。だから日数は、相手の判断がいつ下りるかで変わります。
判断の基準を公表している債権者もあります。住宅金融支援機構は、任意売却の申出書に「任意売却が成立する見込みがないと機構が判断する場合、機構により不動産競売の申立てが行われることのあることを承諾します」と書いています。
さらに機構は、任意売却をあきらめて競売の手続きに入る場合を6つ挙げています。そのうち日数が書かれているのは1つです。初回の媒介契約を結んだ日から6か月を過ぎても購入希望者が現れない場合です。ほかは、必要書類が出てこない、報告がされない、価格を審査した結果で抵当権を抹消できないと判断した、といった内容です。
これは機構の融資の場合の基準です。 民間の銀行や保証会社が同じ基準で動くかどうかは、機構の資料からは分かりません。自分の債権者の基準は、その相手に聞いてください。
申し立てられたあとも、その日に家を失うわけではありません
裁判所の手続きに入ってからは、時間の測り方が変わります。
裁判所データブック2026によると、不動産執行事件の平均審理期間は令和7年で9.1か月です。受け付けてから終わるまでの平均で、令和6年は8.6か月、令和5年は8.4か月でした。
ただし、この数字は次の2点に注意して読んでください。
- 終わり方には、取下げや取消しも含まれます。 すべてが売却で終わっているわけではありません
- 不動産執行事件には、住宅ローン以外の債権によるものも含まれます。 住宅ローンの競売だけを数えた数字ではありません
件数も出ています。令和7年に裁判所が受け付けた不動産執行事件は18,109件です。推移を並べると次のようになります。
| 年次 | 新受件数 | 平均審理期間 |
|---|---|---|
| 平成15年 | 74,857 | 13.5か月 |
| 平成25年 | 33,719 | 9.3か月 |
| 令和5年 | 15,814 | 8.4か月 |
| 令和6年 | 17,599 | 8.6か月 |
| 令和7年 | 18,109 | 9.1か月 |
平成15年と令和7年を比べると、4分の1近くまで減っています。ただし令和5年からの3年は増えています。
何ができるかを決めるのは、債権者です
競売の手続きに入っても、できることが残っている場合があります。ただし、手続きのどこにいるかだけでは決まりません。 取り下げるかどうかを決めるのは、申し立てた債権者です。早い段階でも、債権者が競売で進めると決めていれば間に合いません。
届く書類と起きることの順番と、手元の書類を控えるための一覧は、差押えから競売までのタイムラインにまとめました。
日数が分からないなら、先に数字を用意します
いつ競売になるかは、こちらでは決められません。決められるのは、売ったらいくらになるかを先に知っておくことです。
機構は、任意売却を勧める理由の1つに「競売より高値で売却できることが期待され、お客さまの負債の縮減につながる」ことを挙げています。任意売却を検討するとき、その家がいくらになるかは判断の材料の1つになります。 ほかにも、残っている債務の額、抵当権を持っている相手、売買がまとまる見込みなどが関わります。
まだ延滞していない、あるいは督促の段階なら、手はもっと残っています。返済を続けられるなら、家を手放さずに済むからです。同じ運営のなないろ家査定に、住宅ローンが返せなくなったら、最初に金融機関へ連絡すると返済が苦しいときは、条件変更を申し入れられるを書いています。売却代金で返しきれる見込みなら、売った場合の金額もあちらで聞けます。
そして手続きは、待っている間も進みます。
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出典:裁判所データブック2026(民事事件・民事執行事件の平均審理期間)、住宅金融支援機構「任意売却パンフレット」(令和8年4月)。


