再建築不可物件の固定資産税|評価と節税

再建築不可物件の固定資産税|評価と節税

物件タイプ別 2026.02.20 公開 2026.06.13 更新
#再建築不可 #固定資産税 #評価

この記事でわかること

Q. 再建築不可物件の固定資産税評価額はどうなる?
A. 接道状況により補正率が適用され、無接道で0.4〜0.6、接道幅2m未満で0.6〜0.8程度に減額されます。
Q. 節税する方法はありますか?
A. 評価額の見直し請求、住宅用地の特例(1/6軽減)の活用、売却して負担をなくすなどの方法があります。
Q. 売却した場合の税金は?
A. 譲渡所得税がかかります。所有5年超なら約20%、5年以下なら約39%。マイホームなら3000万円特別控除が使える場合があります。

再建築不可物件の固定資産税は、通常の物件より 30〜60%程度安くなる のが一般的です。接道義務を満たさない土地には、固定資産評価基準に基づく補正率が適用され、評価額が減額されるためです。

たとえば路線価(国税庁が毎年公表する、道路に面した土地1㎡あたりの評価額)から算出した価格が2,000万円の土地でも、無接道であれば補正率0.5が適用され、評価額は1,000万円程度になります。固定資産税は年間約2.3万円(住宅用地の特例適用後)が目安です。

この記事では以下を具体的な計算例つきで解説します。

  • 接道状況ごとの補正率 と評価額の減額幅
  • 土地・建物あわせた 年間税額の計算例
  • 評価額の見直し請求や特例を使った 節税方法
  • 売却した場合の 譲渡所得税

再建築不可の基本については「再建築不可物件とは?」もご覧ください。

接道状況による評価額の補正

再建築不可物件の土地は、建築基準法43条の接道義務を満たさないため「補正率」が適用されて評価額が下がります。補正率は総務大臣が定める 固定資産評価基準 に基づき、各市区町村が決定します。

なお、相続税・贈与税の評価では、国税庁が 無道路地の評価方法 を定めており、通路開設費用を控除して最大40%減額する方式がとられています。固定資産税の補正率とは算定方法が異なりますが、「接道状況が悪いほど評価が下がる」という考え方は共通です。

接道状況補正率の目安評価額2,000万円の場合
接道幅2m未満0.6〜0.81,200〜1,600万円
無接道0.4〜0.6800〜1,200万円

計算例:無接道の土地

路線価から算出した価格:2,000万円
無接道の補正率:0.5
評価額 = 2,000万円 × 0.5 = 1,000万円

この評価額をもとに、固定資産税が計算されます(標準税率1.4%、地方税法350条)。

ただし、補正率の具体的な数値は自治体ごとに異なります。上記はあくまで目安であり、正確な評価額は物件所在地の市区町村・固定資産税課で確認してください。

再建築不可物件の固定資産税:評価が下がる仕組みと節税のポイント。評価が下がる仕組みとして、接道状況に応じた補正率により評価額が通常の30〜60%程度に減額される。接道状況別の評価額の目安は、無接道で補正0.4〜0.6(2,000万円の土地が800〜1,200万円)、接道2m未満で補正0.6〜0.8(1,200〜1,600万円)。土地評価額1,000万円の場合の年間税額は約2.3万円(住宅用地特例1/6適用)。税負担を抑え・管理するコツとして、住宅用地の特例(200㎡以下は固定資産税1/6)の最大限活用、3年ごとの評価額見直し請求の検討、売却時の譲渡所得税は所有5年超で約20%・5年以下で約39%という違いを整理

年間の固定資産税はいくらになる?

計算例:評価額1,000万円の土地 + 500万円の建物

土地の固定資産税 = 1,000万円 × 1.4% = 14万円
(住宅用地の特例で1/6に軽減)
→ 軽減後:約2.3万円

建物の固定資産税 = 500万円 × 1.4% = 7万円

合計:約9.3万円/年

通常の物件(補正なし・評価額2,000万円)では土地だけで約4.7万円。再建築不可なら約2.3万円と、 年間約2.4万円の差 が出ます。

実際の売却価格との関係

固定資産税評価額と売却価格は異なります。

項目金額例
固定資産税評価額1,000万円
市場価格(再建築可能の場合)1,400万円
実際の売却価格(再建築不可)700〜1,000万円

都市計画税

都市計画区域内の物件には都市計画税もかかります。

都市計画税 = 固定資産税評価額 × 0.3%(上限)

固定資産税評価額の基本

固定資産税の計算方法

固定資産税 = 固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)

評価額の決まり方

固定資産税評価額は、市区町村が定める「固定資産評価基準」に基づいて算定されます。

土地の評価要素

  • 路線価
  • 土地の形状
  • 接道状況
  • 利用状況

建物の評価要素

  • 構造
  • 床面積
  • 築年数
  • 経年減価

節税方法

方法1:評価額の見直し請求

固定資産税評価額に疑問がある場合、見直しを請求できます。

請求できるタイミング

  • 評価替えの年(3年ごと。直近は令和6年度、次回は令和9年度)
  • 翌年の1月1日から納税通知書が届くまで

請求の流れ

  1. 市区町村の固定資産税課に相談
  2. 評価内容の説明を受ける
  3. 納得できなければ審査請求

方法2:住宅用地の特例を確認

住宅が建っている土地には、地方税法349条の3の2 に基づく以下の特例があります。

面積軽減率
200㎡以下1/6
200㎡超1/3

建物を取り壊すと特例がなくなり、固定資産税が増える可能性があります。

方法3:建物の滅失登記

建物が老朽化して使えない場合、建物を取り壊して滅失登記(法務局に「建物がなくなった」と届け出る手続き)をすれば、建物の固定資産税がなくなります。

注意点

  • 住宅用地の特例がなくなる
  • 土地の税金が増える可能性
  • 更地にすると特定空家のリスクは減る

方法4:売却して負担をなくす

物件を売却すれば、固定資産税の負担がなくなります。

相続した場合の固定資産税

相続人に納税義務

所有者が亡くなると、相続人に固定資産税の納税義務が移ります。

相続登記が未了でも課税

相続登記が済んでいなくても、固定資産税は課税されます。市区町村は法定相続人を調査して、納税通知書を送ります。

相続人が複数いる場合

相続人が複数いる場合、連帯して納税義務を負います。実際には代表者に納税通知書が届くことが多いです。

売却した場合の税金

譲渡所得税

物件を売却して利益が出た場合、譲渡所得税がかかります。

譲渡所得 = 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用
税額 = 譲渡所得 × 税率

税率(所得税+住民税+復興特別所得税)

所有期間税率出典
5年以下(短期)約39%(所得税30%+住民税9%)国税庁 No.3211
5年超(長期)約20%(所得税15%+住民税5%)国税庁 No.3208

相続した物件の取得費

相続した物件は、被相続人の取得費を引き継ぎます。取得費が不明な場合は、売却価格の5%として計算します。

特例の活用

以下の特例が適用できる場合があります。

  • 3,000万円特別控除 :マイホームを売却した場合(国税庁 No.3302)
  • 相続財産を譲渡した場合の特例 :相続税を取得費に加算

まとめ

再建築不可物件の固定資産税についてまとめます。

評価の特徴

  • 接道状況により補正される
  • 通常の物件より評価額が低い
  • 売却価格との乖離がある

節税方法

  • 評価額の見直し請求
  • 住宅用地の特例を活用
  • 売却して負担をなくす

売却時の税金

  • 譲渡所得税がかかる可能性
  • 特例を活用して節税

売却価格の目安は「再建築不可物件の売却価格」、相続で取得した場合は「再建築不可の家を相続したときの対処法」もご覧ください。再建築不可物件の買取事例は「再建築不可・ボロ戸建の買取事例」で紹介しています。

※ 本記事の税率・特例は2026年4月時点の情報です。税制は改正されることがあるため、最新情報は 国税庁 や 総務省(固定資産税) の公式サイトでご確認ください。個別の税務判断については税理士への相談をおすすめします。

再建築不可物件の売却全般については「再建築不可の売却・買取」もあわせてご覧ください。

土地売却でお困りですか?

条件に難がある土地でも、まずはお気軽にご相談ください。

無料査定を申し込む(匿名OK)

この記事をシェアする

関連記事