違法建築物件は売却できる?買取業者が買う理由

違法建築物件は売却できる?買取業者が買う理由

物件タイプ別 2026.02.08 公開 2026.04.16 更新
#違法建築 #売却 #買取

この記事でわかること

Q. 違法建築でも売却できますか?
A. はい、売却自体は可能ですが、住宅ローンが使えない、買い手が限られる、告知義務がある等の理由で一般市場での売却は困難です。買取業者への売却が現実的な選択肢です。
Q. なぜ買取業者は違法建築を買い取るのですか?
A. 是正して再販できる、解体して土地として売却できる、投資物件として活用できる、そしてリスクを評価・管理するノウハウがあるためです。
Q. 違法建築を売却する際の注意点は?
A. 違法建築であることの告知義務があり、是正指導のリスクや火災保険への影響も考慮が必要です。重要事項説明で買主に説明する必要があります。

違法建築物件とは

違法建築物件とは、 建築基準法 などの法令に違反している建物です。建築確認申請( 法第6条 )を経ずに建築した、または申請内容と異なる建築を行った場合に違法建築となります。特定行政庁から 是正命令( 法第9条 )を受ける可能性があり、命令に従わない場合は 3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法第99条)の対象です。

違法建築の種類

種類根拠法令内容
建ぺい率オーバー法第53条敷地に対して建築面積が大きすぎる
容積率オーバー法第52条敷地に対して延床面積が大きすぎる
無断増築法第6条違反建築確認申請なしで増築
用途違反法第48条用途地域で許可されていない用途で使用
構造違反法第20条構造基準に違反

既存不適格との違い

違法建築と 既存不適格(建築基準法第3条第2項)は混同されがちですが、法的な位置づけが全く異なります。詳しくは「違法増築がある物件の売却」もご覧ください。

項目違法建築既存不適格
建築時違法 だった適法 だった
原因法令違反(無断増築等)法改正・都市計画変更
法的根拠建築基準法違反法第3条第2項で適用除外
是正命令あり(法第9条)なし
売却への影響極めて困難条件により可能

違法建築でも売却できる?

結論:売却は可能だが難しい

違法建築でも売却自体は可能ですが、以下の理由で難しくなります。

売却が難しい理由

  • 住宅ローンが使えない
  • 買い手が限られる
  • 告知義務がある
  • 是正指導のリスク

一般市場での売却

一般市場での売却は非常に困難です。

理由

  • 住宅ローンが使えない
  • 心理的な抵抗感
  • 重要事項説明で明らかになる

買取業者が買う理由

違法建築でも、買取業者が買い取る理由があります。

理由1:是正して再販できる

違法建築を是正(解体・改修)して、適法な状態で再販できます。

例

  • 違法増築部分を解体
  • 適法な状態に戻して売却
  • 差額で利益を得る

理由2:解体して土地として売却

建物を解体し、土地として売却します。

例

  • 違法建築を解体
  • 更地にして売却
  • 新築用地として価値が出る

理由3:投資物件として活用

収益物件として賃貸運用します。

ポイント

  • 入居者がいれば家賃収入
  • 利回り重視の投資家に売却

理由4:リスクを取れる

買取業者は、違法建築のリスクを評価・管理できます。

業者の強み

  • 是正方法のノウハウ
  • 解体・再販の経験
  • リスク評価能力

売却の流れ

ステップ1:違法建築の内容を確認

まず、違法建築の内容を確認します。

確認方法

  • 建築確認済証と現状の比較
  • 検査済証の有無
  • 市区町村の建築指導課に相談

ステップ2:売却方法の選択

状況に応じて売却方法を選びます。

方法適したケース
是正してから売却是正費用が安い
そのまま売却是正が困難
解体して土地売却建物に価値がない

ステップ3:買取業者への相談

違法建築を扱う買取業者に相談します。

相談時に伝えること

  • 違法建築の内容
  • 経緯(なぜ違法建築になったか)
  • 是正の可能性

ステップ4:査定・契約

査定を受けて、条件に合えば契約します。

売却価格の相場

価格が大幅に下がる

違法建築は、適法物件より大幅に価格が下がります。詳しい相場は「建ぺい率・容積率オーバーの売却相場」をご覧ください。

状況価格目安(適法物件比)
軽微な違法(是正容易)60〜80%
中程度の違法40〜60%
重大な違法20〜40%
是正困難土地価格のみ

価格に影響する要因

要因高くなる安くなる
是正の難易度容易困難
違法の程度軽微重大
建物の状態良好老朽化
土地の価値高い低い

注意点

注意点1:告知義務

宅地建物取引業法第47条 に基づき、違法建築であることを買主に告知する義務があります。また、 同法第35条 の重要事項説明でも建築基準法への適合状況を説明しなければなりません。

告知すべき事項

  • 違法建築であること(違反の具体的内容)
  • 是正指導・是正命令の有無と経緯
  • 違法部分の面積・用途

注意点2:是正命令のリスク

特定行政庁から 是正命令( 建築基準法第9条 )を受ける可能性があります。是正命令は売却後も新しい所有者に引き継がれるため、買取業者は是正コストを織り込んだ上で買取価格を算出します。

是正命令の段階

  1. 指導・助言
  2. 是正命令(法第9条)
  3. 使用禁止命令
  4. 罰則(3年以下の懲役/300万円以下の罰金、法第99条)

注意点3:保険の問題

違法建築であることが判明すると、火災保険の加入や保険金の支払いに影響がある場合があります。保険会社によっては、違法部分について保険金が支払われないケースもあります。

まとめ

違法建築物件の売却についてまとめます。

売却の可否

  • 売却は可能だが難しい
  • 住宅ローンが使えない
  • 買い手が限られる

買取業者が買う理由

  • 是正して再販できる
  • 解体して土地売却できる
  • リスクを評価・管理できる

注意点

  • 告知義務がある
  • 是正指導のリスク
  • 保険の問題

違法建築の基本的な仕組みや既存不適格との違いは「違法建築の売却・買取について」で解説しています。

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