間口2mの旗竿地|再建築可否の確認方法
この記事でわかること
Q. 旗竿地の間口が2m未満だとどうなりますか?
Q. 間口が2m未満の場合、再建築可能にする方法はありますか?
Q. 間口の正確な幅はどうやって確認できますか?
なぜ間口2mが重要なのか
建築基準法第43条第1項では、建物の敷地は「幅員4m以上の道路に2m以上接しなければならない」と定めています。旗竿地の場合、この「2m以上」は道路との接点(間口)だけでなく、 通路全体にわたって2m以上 が必要です。間口が2mあっても、通路の途中で幅が狭まっていれば再建築不可になります。旗竿地全般の売却については「旗竿地の売却方法」をご覧ください。
接道義務の条件
接道義務 = 道路幅4m以上 × 間口2m以上
間口2m未満のリスク
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 再建築不可 | 建物を建替えられない |
| 住宅ローン | 利用できない可能性 |
| 売却価格 | 大幅に下落 |
| 買い手 | 限られる |
再建築可否の確認方法
ステップ1:登記簿・公図の確認
まず法務局で登記簿謄本と公図を取得します。公図には通路部分の形状と寸法が記載されており、間口の概算がわかります。法務局の窓口で取得できるほか、「登記情報提供サービス」を使えばオンラインでも閲覧可能です(1通364円)。
公図で確認すべきポイントは、通路部分の形状(途中で幅が変わっていないか)、道路との接点の幅、そして道路の種類です。
ステップ2:現地での測定
公図はあくまで参考図面であり、実際の寸法と異なることがあります。必ず現地で実測してください。
測定は間口(道路との接点)だけでなく、通路の全長にわたって複数箇所で行います。特に注意すべきは 塀やブロック塀で有効幅が狭まっているケース です。境界上は2mあっても、隣家の塀が越境していたり、電柱が通路内に立っていたり、雨樋が張り出していたりすると、実質的な有効幅が2m未満になることがあります。
ステップ3:境界確定測量
正確な間口を確定するには、境界確定測量が必要です。隣地所有者との立会いのもとで境界を確定し、正確な幅を測定します。
費用は 30〜50万円程度 、期間は 1〜3ヶ月程度 が目安です。隣地所有者との日程調整や、道路境界の確定(市区町村との立会い)が必要な場合はさらに時間がかかります。
ステップ4:市区町村への確認
最後に、市区町村の建築指導課で再建築の可否を確認します。公図のコピーと住宅地図を持参すると話がスムーズです。確認すべきは再建築の可否、前面道路の種類(42条何項の道路か)、接道義務を満たしているかの3点です。
間口が2m未満だった場合
対処法1:隣地の一部を購入
間口を2m以上にするため、隣地の一部を購入する方法です。たとえば間口が1.8mで通路の長さが15mの場合、不足する0.2m×15m=3㎡を隣地から取得すれば接道義務を満たせます。
再建築可能になれば土地の価値は大幅に上がるため、取得費用を上回るメリットがあります。ただし、隣地所有者が売却に応じてくれるとは限りません。なないろ土地査定のパートナー企業の事例でも、再建築不可物件を買い取った後に隣地交渉を試みましたが、「土地を売ったり建替えのために提供することはできない」と断られています。打診は早い段階で行い、不成立の場合の代替案も準備しておくことが重要です。
対処法2:43条第2項の認定・許可
接道義務を満たさなくても、建築基準法第43条第2項の認定または許可を取得できれば建築が認められます。2018年の法改正で「認定」(第1号・建築審査会不要)と「許可」(第2号・建築審査会の同意が必要)の2ルートに整理されました。
条件
- 敷地周囲に広い空地がある
- 安全上問題がない
- 許可の場合は建築審査会の同意
注意
- 建物ごとに認定・許可が必要
- 必ず認められるとは限らない
詳しくは「43条但し書き許可の条件と申請手続き」をご覧ください。
対処法3:そのまま売却
再建築不可のまま売却する方法です。買取業者、隣地所有者、投資家が主な売却先になります。「旗竿地の売却価格の相場と高く売る方法」では、レインズの実データで同じエリアの旗竿地と整形地の坪単価を比較しています。なないろ土地査定のパートナー企業でも旗竿地の買取に対応しており、「旗竿地(狭小地)の買取事例」で実際の対応内容を紹介しています。
間口2mギリギリの場合
公図と実測のずれに注意
公図上は2mでも、実測すると2m未満だったというケースは珍しくありません。公図はもともと精度が低く(明治時代の地租改正をもとにした図面も多い)、境界が確定していない場合や過去の測量が不正確な場合は、数センチ〜十数センチのずれが生じます。
筆者の親族の実家がまさにこのパターンでした。間口は2mあったのですが、通路の途中で幅が2mを下回っていたため、再建築不可に該当していました。公図だけを見て「2mあるから大丈夫」と判断するのは危険です。必ず現地で通路全体を実測してください。
対策
間口が2mギリギリの場合は、売却前に境界確定測量を行い、正確な数値を確定させましょう。測量結果は売却時の重要な資料になります。もし実測で2mをわずかに下回っていた場合は、隣地所有者との交渉で数センチ分の土地を取得し、2m以上を確保する方法もあります。
売却への影響
再建築可能な場合
間口2m以上で再建築可能なら、比較的売りやすいです。一般的には整形地の60〜80%程度が目安とされますが、「旗竿地の売却価格の相場」で紹介したレインズの実例では、間口2.5m以上の再建築可能な旗竿地でも整形地の約4〜5割にとどまるケースがありました。間口の広さだけでなく、通路の長さや有効宅地の形状も価格に大きく影響します。
再建築不可の場合
間口2m未満で再建築不可なら、売却が難しくなります。価格は整形地の30〜50%程度が目安ですが、建物の状態やエリアの需要によってさらに下がることもあります。
重要事項説明
売却時は、宅地建物取引業法に基づく重要事項説明で、間口の実測値、再建築の可否、接道義務を満たすかどうかを買主に説明する義務があります。測量結果がない場合は「公図上の数値であり、実測と異なる可能性がある」旨を明記する必要があります。
よくある質問
Q:公図上は2mあるのに、実測で2m未満でした
A:実測値が優先されます。再建築の可否は実測値で判断されます。
Q:間口が1.9mですが、売れますか?
A:売却は可能ですが、再建築不可として価格が下がります。隣地からの購入で2mを確保できれば、価値が上がります。
Q:測量は必ず必要ですか?
A:売却前に境界確定測量を行うことをおすすめします。間口が不明確だと、買主との交渉で不利になります。
まとめ
旗竿地の間口2m問題についてまとめます。
確認方法
- 登記簿・公図の確認
- 現地での測定
- 境界確定測量
- 市区町村への確認
間口2m未満の対処法
- 隣地の一部を購入
- 43条但し書き許可
- そのまま売却
売却への影響
- 再建築可:整形地の60〜80%
- 再建築不可:整形地の30〜50%
関連する記事・事例
間口や再建築可否を確認したら、次は「いくらで、どう売るか」です。売却価格の相場や買取という選択肢は、以下の記事で解説しています。
- 旗竿地は売れない?売却価格の相場と高く売る3つの方法 — 間口別の価格目安と売却方法の比較
- 旗竿地の売却・買取 — 接道義務・不整形地補正率など基本の仕組み
- 旗竿地のメリット・デメリット — 売却時のアピール方法
- 43条但し書き許可の条件と申請手続き — 再建築不可を解消するルート
- 旗竿地(狭小地)の買取事例 — 再建築が難しい旗竿地の実際の買取内容
間口2m未満で再建築が難しい旗竿地でも、現状のまま買取できるケースがあります。「再建築不可かもしれない」と判断がつかない段階でもご相談いただけます。


