底地の買取相場はいくら?更地価格との違いを解説
この記事でわかること
Q. 底地の買取相場はいくらですか?
Q. 底地の価格が更地より安い理由は?
Q. 底地を高く売るポイントは?
底地の価格は更地価格より大幅に安い
底地を売却しようと思った時、多くの地主様が驚くのが「思ったより安い」という現実です。底地の売却方法については「底地を売却する方法」もご覧ください。
底地の売却価格は、同じ土地を更地として売却した場合と比較して、 10〜40%程度 にとどまるのが一般的です。
なぜ底地は安くなるのか
底地の価格が更地より大幅に安い根本的な理由は、 所有権はあるのに自由に使えない という底地特有の権利構造にあります。
1. 自分で使えない
底地には 借地借家法 で保護された借地人がいるため、購入しても自分で土地を利用できません。借地契約は旧借地法(1992年7月以前の契約)では存続期間が実質的に半永久的であり、正当事由なく地主から解約を申し入れることはできません(借地借家法第6条)。
2. 収益性が低い(逆ザヤ問題)
底地の収益は地代のみです。しかし、古くからの借地契約では地代が据え置かれていることが多く、固定資産税・都市計画税を下回る 「逆ザヤ」 状態になっているケースも珍しくありません。借地借家法第11条に基づく地代増額請求は可能ですが、借地人との交渉は難航しがちです。固定資産税の負担については「底地の固定資産税が重い」で詳しく解説しています。
3. 流動性が低い
底地を購入したい人は極めて限られます。一般の買い手は自分で使える土地を求めるため、底地は購入対象になりません。再売却も難しく、買い手からは敬遠されがちです。
4. 借地権との関係
借地権は借地人の強い権利です。地主が借地権を取り戻すには 正当事由(借地借家法第6条)が必要であり、多くの場合は高額の 立退料 を支払わなければ実現しません。この権利関係の制約が底地の価格を大きく押し下げています。
底地の相場の目安
底地の売却相場は、売却先によって大きく異なります。
| 売却先 | 更地価格に対する割合 |
|---|---|
| 借地人 | 30〜50% |
| 第三者(投資家等) | 15〜25% |
| 買取業者 | 10〜15% |
借地人への売却が最も高い理由
借地人は底地を購入することで「完全所有権」を得られます。地代の支払いから解放され、自由に建替え・売却ができるようになるため、最も高い価格を提示できるのです。
買取業者の価格が低い理由
買取業者は底地を購入後、借地人との交渉や権利関係の整理が必要です。そのコストとリスクを考慮するため、買取価格は低くなります。
底地価格の計算方法
実務で使われる底地価格の計算方法は主に3つあります。
方法1:借地権割合で計算(相続税評価額)
国税庁の路線価図に記載されている 借地権割合( 財産評価基本通達27 )を使う方法です。
底地の相続税評価額 = 自用地評価額 ×(1 − 借地権割合)
路線価図では道路ごとに路線価(千円/㎡単位)とアルファベット(借地権割合)が表示されています。たとえば「550D」なら路線価55万円/㎡、借地権割合60%(D)です。
| 記号 | 借地権割合 | 底地割合 |
|---|---|---|
| A | 90% | 10% |
| B | 80% | 20% |
| C | 70% | 30% |
| D | 60% | 40% |
| E | 50% | 50% |
| F | 40% | 60% |
| G | 30% | 70% |
ただし、これは 相続税の評価額 であり、実際の売買価格はこれよりさらに低くなるのが一般的です。相続税評価額の50〜70%程度が実勢価格の目安です。
方法2:収益還元法
地代収入を基に計算する方法です。
底地価格 = 年間地代 ÷ 期待利回り
底地の期待利回りは一般に2〜5%程度で、立地や借地契約の条件によって変動します。地代が低い(逆ザヤの)底地では、この方法で算出すると非常に低い価格になります。
方法3:取引事例比較法
周辺の底地取引事例と比較して算出する方法です。ただし、底地の取引事例は一般の土地と比べて極めて少ないため、参考程度にとどまることが多いです。借地人への売却を検討する場合は「底地を借地人に売却する方法」もご覧ください。
底地価格に影響する要因
同じ底地でも、以下の要因により価格は変動します。
プラス要因(価格が上がる)
- 地代が高い: 収益性が高いと評価される
- 借地人との関係が良好: 将来的な交渉がしやすい
- 契約更新が近い: 更新時に交渉の機会がある
- 立地が良い: 需要の高いエリア
- 借地人に購入意思がある: 高値売却の可能性
マイナス要因(価格が下がる)
- 地代が安い: 収益性が低い
- 借地人との関係が悪い: 交渉が難しい
- 契約期間が長い: 権利関係の整理に時間がかかる
- 建物が老朽化: 借地人の建替え・退去リスク
- 借地人が複数: 権利関係が複雑
底地を高く売るためのポイント
1. まずは借地人に打診する
借地人への売却が最も高値が期待できます。関係が悪くなければ、まずは打診してみましょう。
2. 複数の業者に査定を依頼する
買取業者によって査定額は異なります。必ず複数社から見積もりを取りましょう。
3. 書類を揃えておく
- 土地の登記簿謄本
- 借地契約書
- 地代の領収書等
書類が揃っていると、査定がスムーズに進みます。
4. 専門業者を選ぶ
底地は特殊な不動産です。底地・借地を専門に扱う業者に相談しましょう。
まとめ
底地の買取相場は更地価格の10〜40%程度で、売却先によって大きく変わります。
- 借地人への売却: 更地価格の30〜50%
- 買取業者への売却: 更地価格の10〜15%
まずは借地人への売却を検討し、難しい場合は専門の買取業者に相談することをおすすめします。
底地の売却全般については「底地の売却・買取」もあわせてご覧ください。


