変形地・不整形地の売却と買取相場|三角地・L字型・台形
この記事でわかること
Q. 不整形地の売却価格はどれくらい下がりますか?
Q. 不整形地を高く売る方法はありますか?
Q. 有効宅地率とは何ですか?
不整形地・変形地とは
不整形地とは、正方形や長方形ではない、いびつな形状の土地のことです。相続税・固定資産税の評価では、 財産評価基本通達20(不整形地の評価)に基づき、整形地の評価額に 不整形地補正率 を乗じて減額します。この補正率は形状の不整形度合い(かげ地割合)によって0.60〜0.99の範囲で設定されています。
不整形地の種類
| 種類 | 形状 | 特徴 |
|---|---|---|
| 三角地 | △ | 有効面積が少ない |
| L字型 | L | 建物配置が難しい |
| 台形 | 台形 | 整形地に近い場合も |
| 不規則形 | 複雑 | 建築プランが限られる |
| 旗竿地 | 旗型 | 間口が狭い |
なぜ不整形地が生まれるのか
- 道路の形状に沿った区画
- 土地の分割時に発生
- 自然地形の影響
- 歴史的な土地利用の結果

売却価格への影響
価格の目安
不整形地は、同面積の整形地より価格が下がります。評価額の仕組みも参考にしてください。
| 形状 | 価格目安(整形地比) |
|---|---|
| 台形(軽度) | 85〜95% |
| L字型 | 70〜85% |
| 三角地 | 50〜70% |
| 複雑な不規則形 | 40〜60% |
価格に影響する要因
| 要因 | 高くなる | 安くなる |
|---|---|---|
| 有効宅地率 | 高い | 低い |
| 間口 | 広い | 狭い |
| 整形部分の面積 | 大きい | 小さい |
| 立地 | 需要が高い | 郊外 |
| 面積 | 適度な広さ | 極端に狭い/広い |
有効宅地率とは
有効宅地率とは、土地のうち建物を建てられる部分の割合です。
計算方法
有効宅地率 = 有効宅地面積 ÷ 総面積 × 100(%)
有効宅地面積とは、建築基準法の各種制限( 斜線制限: 法第56条、 日影規制: 法第56条の2、 建ぺい率: 法第53条)を満たした上で実際に建物を配置できる部分の面積です。不整形地では、デッドスペース(建物を配置できない端部や鋭角部分)が生じるため、有効宅地率が整形地より低くなります。
形状別の有効宅地率目安
| 形状 | 有効宅地率 |
|---|---|
| 整形地 | 90〜95% |
| 台形 | 80〜90% |
| L字型 | 70〜85% |
| 三角地 | 50〜70% |
形状別の売却ポイント
三角地
特徴
- 有効面積が少ない
- 建物配置が難しい
- デッドスペースが生じる
売却ポイント
- 庭・駐車場としての活用をアピール
- 狭小住宅向けプランの提案
- 隣地への売却を検討
L字型
特徴
- 建物を2棟建てにくい
- 日当たりに工夫が必要
- 中庭を取りやすい
売却ポイント
- 中庭のある住宅プランを提案
- 分割して売却する選択肢
- 有効部分の広さをアピール
台形
特徴
- 整形地に近い場合も
- 間口・奥行きに注意
- 比較的建築しやすい
売却ポイント
- 整形地に近いことをアピール
- 建築可能なプランを提示
- 価格差を強調
売却方法
方法1:一般市場での売却
通常の売却活動を行います。
ポイント
- 建築プランを提示
- 有効宅地面積を明示
- メリットをアピール
方法2:隣地所有者への売却
隣地と一体化すれば、整形地になる場合があります。
メリット
- 整形地として価値が上がる
- 相場より高く売れる可能性
方法3:買取業者への売却
不整形地を専門に扱う買取業者に売却します。
メリット
- 確実に売却できる
- スピーディー
- 現況のまま売却
買取価格の考え方
不整形地の買取価格は、「整形地としての相場 × 形状による減額率 × 買取業者のマージン(70〜80%)」で算出されます。
たとえば三角地の場合、有効宅地率が60%程度であれば整形地の50〜70%が市場価格の目安となり、買取業者への売却ではさらに20〜30%が差し引かれます。L字型は有効宅地率70〜85%と三角地よりも高いため、整形地の70〜85%程度の市場価格がつきます。
不整形地の価格は形状だけでなく 立地と面積 に大きく左右されます。都心の不整形地は郊外の整形地より高いケースもあり、一概に「不整形だから安い」とは言い切れません。正確な価格は複数の買取業者に査定を依頼して比較するのが確実です。
注意点
注意点1:有効宅地面積の確認
建物を建てられる面積を確認しましょう。
注意点2:建築制限の確認
斜線制限(建築基準法第56条)や 日影規制(法第56条の2)の影響を確認しましょう。不整形地では建物の配置が限定されるため、これらの制限がさらに建築可能な面積を狭める場合があります。
注意点3:隣地との関係
境界確定 は売却の大前提です。不整形地は境界が複雑になりがちで、確定測量が必要になることがあります。隣地への売却の可能性も検討しましょう。隣地と合わせて整形地になる場合は、互いにメリットがあるため交渉しやすくなります。
まとめ
不整形地・変形地の売却についてまとめます。
価格の目安
- 台形:整形地の85〜95%
- L字型:整形地の70〜85%
- 三角地:整形地の50〜70%
売却方法
- 一般市場での売却
- 隣地所有者への売却
- 買取業者への売却
ポイント
- 有効宅地率を把握
- 建築プランを提示
- メリットをアピール
不整形地の基本的な仕組みや売却の全体像は「不整形地の売却・買取について」で解説しています。


