長屋・連棟式建物の売却方法|単独での売却は可能?

長屋・連棟式建物の売却方法|単独での売却は可能?

物件タイプ別 2026.02.17 公開 2026.04.16 更新
#長屋 #連棟 #売却

この記事でわかること

Q. 長屋・連棟式建物は売却できますか?
A. はい、売却可能です。現況のまま売却、切り離して売却、全体で売却、買取業者への売却などの方法があります。
Q. 長屋が売れにくい理由は何ですか?
A. 単独での建替えが困難、住宅ローンが使いにくい、再建築不可の場合がある、権利関係が複雑、老朽化が進んでいるなどの理由があります。
Q. 長屋の売却価格は一戸建てと比べてどうなりますか?
A. 同条件の一戸建てより安くなります。接道良好で状態良好なら70〜90%、再建築不可なら40〜60%程度が目安です。

長屋・連棟式建物とは

定義

長屋・連棟式建物とは、複数の住戸が壁を共有して横に連なっている建物です。

種類

種類特徴
長屋複数の住戸が横に連なる
テラスハウス長屋の一種、庭付き
タウンハウス敷地が共有の場合あり

マンションとの法的な違い

長屋は見た目はマンションに似ていますが、法的な位置づけが根本的に異なります。マンションは 区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)が適用される「区分所有建物」ですが、長屋は各戸が独立した 「一戸建て」 の扱いです。管理組合や共用部分の概念がなく、建替えや修繕のルールも異なります。

項目長屋マンション
法的区分一戸建て区分所有建物(区分所有法)
敷地各戸で単独所有共有(敷地利用権)
共用部分なし(壁は共有だが法的には各戸に帰属)あり(廊下・階段等)
管理組合なしあり(区分所有法第3条)
建替え決議隣接住戸の同意(全体の場合は全戸同意)区分所有者の5/4以上(区分所有法第62条)

長屋が売れにくい理由

理由1:単独での建替えが困難

壁を共有しているため、隣接住戸の同意なしに建替えることは事実上できません。切り離す場合は隣接する壁の補修費用も発生し、切り離し後に 接道義務( 建築基準法第43条 、幅員4m以上の道路に2m以上接道)を満たさなくなれば 再建築不可 になります。

理由2:住宅ローンが使いにくい

長屋は担保評価が低く、多くの金融機関が融資を敬遠します。特に再建築不可の長屋はほぼ融資不可で、買い手が現金購入者に限定されます。

理由3:再建築不可の場合がある

古い長屋は建築当時の接道条件が現行の 建築基準法第42条・第43条 に適合していないケースが多く、再建築不可になっている場合があります。

理由4:権利関係が複雑

敷地の境界が不明確、壁の帰属が不明、敷地の一部が隣接住戸と共有になっているなど、長屋特有の権利関係の問題があります。

理由5:老朽化が進んでいる

現存する長屋の多くは昭和に建てられたもので、 旧耐震基準(1981年5月以前の建築確認)に該当することがほとんどです。耐震性の問題に加え、給排水管の老朽化や外壁の劣化が進んでいることが多く、購入後のリフォーム費用が大きなハードルになります。

売却の選択肢

選択肢1:現況のまま売却

長屋のまま売却する方法です。

メリット

  • 費用がかからない
  • すぐに売り出せる

デメリット

  • 買い手が限られる
  • 価格が安くなる

ターゲット

  • 投資家
  • リノベーション目的の買主
  • 価格重視の買主

選択肢2:切り離して売却

隣接住戸と切り離し、独立した建物として売却する方法です。詳しくは「長屋の切り離しと単独売却」をご覧ください。

メリット

  • 単独所有の建物になる
  • 買い手が広がる
  • 高く売れる可能性

デメリット

  • 隣接住戸の同意が必要
  • 切り離し費用がかかる
  • 建築基準法の問題が発生する場合も

選択肢3:全体で売却

長屋全体をまとめて売却する方法です。

メリット

  • 土地としての価値が出る
  • 開発業者に売却可能

デメリット

  • 全住戸の同意が必要
  • 調整に時間がかかる

選択肢4:買取業者への売却

長屋を扱う買取業者に売却します。

メリット

  • 確実に売却できる
  • 現況のまま売却
  • 権利調整不要

デメリット

  • 価格が安くなる傾向

単独での売却の注意点

注意点1:建築基準法の問題

長屋を切り離すと、以下の建築基準法上の問題が発生する場合があります。

発生しうる問題

  • 接道義務(法第43条)を満たさなくなる → 再建築不可に
  • 建ぺい率(法第53条)・ 容積率(法第52条)をオーバーする
  • 共有壁の切り離しによる構造上の問題(耐力壁の喪失等)

注意点2:隣接住戸との関係

切り離しには隣接住戸の同意が必要です。

必要な同意

  • 壁の補修方法
  • 費用負担
  • 工事の時期

注意点3:再建築不可リスク

切り離し後に再建築不可になる場合があります。

確認事項

  • 接道条件
  • 敷地の面積
  • 建蔽率・容積率

価格相場

価格の目安

長屋の価格は、同条件の一戸建てより安くなる傾向があります。

条件価格水準(一戸建て比)
接道良好・状態良好70〜90%
接道不良・状態良好50〜70%
再建築不可40〜60%

価格に影響する要因

要因プラスマイナス
接道状況良好不良
建物の状態良好老朽化
立地駅近郊外
権利関係明確複雑
再建築可能不可

売却時の確認事項

確認事項1:接道状況

敷地が道路に接しているか確認します。

確認方法

  • 役所で道路台帳を確認
  • 現地で実測

確認事項2:権利関係

敷地の権利関係を確認します。

確認事項

  • 土地の所有者
  • 敷地の範囲
  • 共有部分の有無

確認事項3:建物の構造

建物の構造を確認します。

確認事項

  • 壁の共有状況
  • 基礎の構造
  • 屋根の状況

確認事項4:再建築の可否

再建築が可能か確認します。

確認方法

  • 役所で確認
  • 建築士に相談

まとめ

長屋・連棟式建物の売却についてまとめます。

売れにくい理由

  • 単独での建替えが困難
  • 住宅ローンが使いにくい
  • 再建築不可の場合がある
  • 権利関係が複雑

売却の選択肢

  • 現況のまま売却
  • 切り離して売却
  • 全体で売却
  • 買取業者への売却

確認事項

  • 接道状況
  • 権利関係
  • 建物の構造
  • 再建築の可否

長屋・連棟式住宅の基本的な仕組みや売却の全体像は「長屋・連棟の売却・買取について」で解説しています。

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