駅から遠い物件の売却方法|バス便・車必須エリア
この記事でわかること
Q. 駅遠物件が売れにくい理由は何ですか?
Q. 駅遠物件を高く売るコツはありますか?
Q. 駅遠物件の売却方法にはどんな選択肢がありますか?
駅から遠い物件の定義
駅遠物件とは
不動産の表示に関する公正競争規約 では、徒歩所要時間を「道路距離80mにつき1分」で算出すると定めています。一般に徒歩20分(約1.6km)を超えると「駅遠」と見なされ、不動産市場での評価が下がります。
| 距離 | 徒歩分数 | 評価 | 価格への影響 |
|---|---|---|---|
| 〜400m | 〜5分 | 駅近 | 基準価格 |
| 400〜800m | 5〜10分 | 徒歩圏 | ▲0〜5% |
| 800〜1,600m | 10〜20分 | やや遠い | ▲5〜15% |
| 1,600m〜 | 20分〜 | 駅遠 | ▲15〜30% |
| バス便 | — | 遠い | ▲20〜40% |
バス便物件の特徴
駅からバスを利用する物件は「バス便物件」と呼ばれます。
特徴
- バス停までの距離が重要
- バスの本数・運行時間に左右される
- 通勤・通学に不便
車必須エリアの特徴
公共交通機関が不便で、車がないと生活できないエリアです。
特徴
- 買い物は車で移動
- 駐車場は必須
- 高齢者には不便
売れにくい理由
理由1:需要が限られる
住宅購入層の中心である30〜40代は通勤利便性を重視する傾向が強く、駅遠物件は検討対象から外れがちです。電車通勤者、車を持たない層、高齢者にとっては日常生活のハードルが高く、買い手が構造的に限られます。
理由2:住宅ローン審査
駅から遠い物件は担保評価が低くなるため、金融機関によっては融資額が制限されたり、審査が厳しくなることがあります。バス路線の廃止リスクがあるエリアでは特に顕著です。
理由3:資産価値の低下懸念
国土交通省の 地価公示(2026年) では全用途平均が5年連続上昇していますが、上昇は都市部に集中しており郊外との二極化が進んでいます。将来の売却時にさらに価格が下がるリスクが買い手の心理的ハードルになります。
理由4:人口減少の影響
総務省の 住宅・土地統計調査(2023年) では全国の空き家率が13.8%と過去最高を記録しており、人口減少の影響が大きい郊外エリアではこの傾向がさらに顕著です。空き家が増えるエリアでは需要がさらに低下し、売却が困難になる悪循環に陥ります。
売却の選択肢
選択肢1:一般市場で売却
不動産会社を通じて一般市場で売却します。
メリット
- 高く売れる可能性
デメリット
- 売却期間が長期化
- 買主が限られる
向いているケース
- 土地が広い
- 価格設定が適切
- 時間に余裕がある
選択肢2:価格を下げて早期売却
相場より価格を下げて早期売却を目指します。
メリット
- 早く売れる
- 維持費を抑えられる
デメリット
- 売却価格が低くなる
選択肢3:買取業者への売却
郊外物件を扱う買取業者に売却します。
メリット
- 確実に売却できる
- 現況のまま売却
- スピーディー
デメリット
- 一般市場より安くなる傾向
選択肢4:賃貸として活用
売却前に賃貸として活用する方法です。
メリット
- 家賃収入を得られる
- 収益物件として売却
デメリット
- 賃借人がつかない可能性
- 管理の手間
価格相場
駅距離による価格差
駅から遠くなるほど価格は下がります。詳しい価格相場は「駅遠物件の価格相場」をご覧ください。
| 駅距離 | 価格の目安(駅近比) |
|---|---|
| 徒歩5分以内 | 100% |
| 徒歩10分 | 90〜95% |
| 徒歩15分 | 80〜90% |
| 徒歩20分以上 | 70〜85% |
| バス便 | 60〜80% |
価格に影響する要因
| 要因 | プラス | マイナス |
|---|---|---|
| 土地の広さ | 広い | 狭い |
| 駐車場 | あり(複数台) | なし |
| 周辺環境 | 買い物便利 | 不便 |
| 建物の状態 | 良好 | 老朽化 |
| 人口動態 | 増加傾向 | 減少傾向 |
高く売るコツ
コツ1:ターゲットを明確にする
駅遠物件を好むターゲットに訴求しましょう。
ターゲット
- テレワークで通勤不要の人
- 車通勤の人
- 広い土地・庭を求める人
- 静かな環境を求める人
- 価格重視の人
コツ2:物件の強みをアピール
駅遠でも評価されるポイントをアピールします。
アピールポイント
- 土地の広さ
- 駐車場(複数台可)
- 庭の広さ
- 静かな環境
- 自然の豊かさ
- 価格の安さ
コツ3:生活利便性を伝える
駅以外の生活利便性をアピールします。
伝えるべき情報
- スーパー・コンビニの距離
- 病院・学校の距離
- インターチェンジの距離
- バス停・本数
コツ4:適正価格の設定
駅遠物件は、相場より高い価格では売れにくいです。
価格設定のポイント
- 類似物件の相場を調査
- 駅距離による減価を考慮
- 早期売却なら相場の90〜95%
コツ5:複数社に依頼
複数の不動産会社に売却を依頼しましょう。
理由
- 業者によって得意エリアが異なる
- より多くの買主に情報が届く
- 競争原理が働く
売れない場合の対策
対策1:価格の見直し
売れない場合は、価格を見直しましょう。
目安
- 3ヶ月売れない:5〜10%値下げ
- 6ヶ月売れない:10〜20%値下げ
対策2:買取業者への相談
一般市場で売れない場合は、買取業者への売却を検討します。
対策3:土地として売却
建物の価値がない場合は、解体して土地として売却します。
対策4:空き家バンクの活用
自治体の空き家バンクに登録し、移住希望者にアプローチします。
まとめ
駅から遠い物件の売却についてまとめます。
売れにくい理由
- 需要が限られる
- 住宅ローン審査
- 資産価値の低下懸念
- 人口減少の影響
売却の選択肢
- 一般市場で売却
- 価格を下げて早期売却
- 買取業者への売却
- 賃貸として活用
高く売るコツ
- ターゲットを明確に
- 物件の強みをアピール
- 生活利便性を伝える
- 適正価格の設定
駅遠・郊外物件の売却全般については「駅遠・郊外の売却・買取」もあわせてご覧ください。


